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ないのなら 自分で作ろう 政治学部 @東大法学部

はじめに

この記事は、政治学を学ぶ際に、東大の中ではどこに所属するのが良いのか悩んでいる人向けに1つの事例をネットに放流することを目的として書いています。

おそらく結局は、どこに所属していても、他学部で授業を受けたり自学をすれば変わらないというのが究極的な結論なのだと思います。とはいえ卒業要件等に縛られてなかなか思うようにいかないものなので、法学部にいくとこんな感じになりうるのだなという1つの参考にしていただければと思います。

書いている人について

書いている人はこんな属性を有しています

  • 文科2類に所属していました
  • 進学選択制度で国関・相関と法学部で2年の夏頃まで迷って法進しました
  • そのせいで1年生の文1用の法・政治の授業は受けていません(制度的にはじかれて悲しすぎるのでここは本当に改善してほしい)
  • 法学部では第3類政治コースに所属しています
  • 2年前期の時点で、模擬国連と前期課程のゼミに所属していた関係で国際政治・国際法の微かな知識だけありました
  • 数学は文科2類の準必修で2単位だけ微積分を勉強しました、線形代数の時の数学を取らなかったことを後悔しています
  • このまま政治学で院進します

想定している読者対象

この記事は、以下の人を読者として想定して書いています。

  • 現在東大の1年生で政治学関連で学部・学科選びに悩んでいる人
  • 法学部2、3年生で第3類に所属(所属を検討)しており、履修に悩んでいる人
  • 東大を受験する上で科類に悩んでおり、後期課程について知りたい人

注意事項

私自身が法学部に所属していた期間(2020年度2年生〜2022年度4年生)のほとんどは新型コロナウイルス感染症関連でオンライン講義メインの時代であり、たぶんにバーチャルキャンパス移動の恩恵を受けています。

あくまで一例に過ぎません。あと時間割は年々変わります。

授業内容等を詳細に書くのはよろしくないと思うので、授業カタログとして公開されているラインで書いています。問題があれば指摘してください。

 

進学先を決めるにあたっての各学部・授業形態の強み弱み

おそらく東大で政治を勉強したい!となると法学部・教養学部・文学部あたりが出てくると思います。どれも歴史が古く、各学部の強み・特色のようなものがあると思うので、所属を検討する際はそれらを考慮する必要があると考えられます。私自身が検討したのが法学部と教養学部のみだったので、この2つについて授業に関連するところに絞りざっくり示します。

  • 法学部(政治コース)
    • 授業形態:(マスプロと言われるような)講義中心+1セメ2単位の演習
    • 講義内容:地域ごとの政治史と思想史が強いのが特色
  • 教養学部(地域文化・国際社会科学)
    • 授業形態:文献購読と講義形式の双方、前者の量が法学部と比較すると特色
    • 講義内容
      • 地域文化:地域によって政治関連の先生が多かったり少なかったりするので対象としたい地域による。ただ外部の先生を呼んでいる授業もある。
      • 国際社会科学:方法論関連から国際政治・経済・政治思想などなど幅広いのが(おそらく)特色

これらの要素は進学先を決める際にも考慮に入れる指標になると思いますし、進学後、せっかく所属するならその学部学科の強みを活かした方が良いと思うので、弱みを補完する形で他学部の授業を取り入れていくことになると思います。

私の場合、講義+試験をメインにしてしっかり広めの知識をつけた方がいいかな、ゼミを増やしたければ他学部に突撃すればいいかな、というノリで法学部を選択しました。

法学部に所属する場合一例

私は、法学部に所属しながら、2A~4A(現在)の期間に、法学部・経済学部・教養学部の授業を横断して受講しながら勉強していました。

法学部は卒業するまでに80単位、うち10単位は他学部受講で埋めていいというシステムになっています。多分オーバーしたはず?
また、法学部の授業は経済学部のとの相乗り科目があるので、経済学部の授業を取りながら法学部単位として参入できるいい制度があります。
ちなみに法学単位は必ず必修に追加で4単位取らなければなりません、辛かったです。

以下、こんな制度の下2年半どんな感じで考えて履修を組んでいたのか記述します。

政治学の各分野と授業履修の関係

政治学を勉強する際、大体政治史、計量、数理、思想史(+基礎としての語学と数学)と言った分野についてある程度網羅的に勉強する方がいいと思っていました。前述のように各学部にはそれぞれの強みがある(と考えられるの)のである程度それに即して受ける学部と授業を決めることにしていました。

私が考えていたのは大体こんな整理です。(表にするのがだるいので箇条書きです)

  • 政治史/地域政治系
    • 講義形式で知識を入れたいなら法学部
    • ゼミ形式なら教養か文学部
  • 思想史
  •  計量
    • 理論なら圧倒的経済学部
    • 実践までの面倒見の良さは教養学部
    • 入門だけなら法学部QSS(後述)
  • 数理
    • 一応必修政治学ゲーム理論を推してくるので法学部△になるのでしょうが、多分経済学部。
    • 教養はこの辺がないイメージがありますね、国際政治系の授業で回収するんですか?
  • 語学:圧倒的駒場駒場外国語大学万歳!

ここで問題になってくるのは、キャンパス移動と1授業4単位開講という仕様になります。

キャンパス移動はご存知の通り、本郷→駒場は大体1時間程度かかるので昼休みを挟まない限り移動がキツすぎて受講のハードルがかなり上がります(私の時はコロナなのでバーチャル移動していました)。

1授業4単位開講は法学部と経済学部に当てはまっていて、週に2コマ確定で埋まってしまうので、履修を組むときに自由度が低くなります。パズルだと思って頑張るわけですが限度がありますね。

本来時間が無限にあれば、法+経済+文で基本的なラインナップを埋めて、教養学部でスパイスを効かせるみたいな受講が理想なんでしょうが、なんだかんだ以上のような仕様により、横断して組むのは大変です。というかまず法学部70単位が結構しんどかったりします。
大体法学部の授業はどの学期にどの授業あたりまでは固定されているっぽく、過去の時間割もHPに載っているので、3S~4Aの2年スパンで考えておくといいと思います。なおそれでもなかなかうまくいきません。

実際の2年間の履修内容

実際に3s~4Aの履修を貼り付けながら分野ごとにまとめていければいいなあという感じです。2Aはまあ好きな科目を取ると良いと思います。ヨーロッパ政治史は楽しいのでおすすめです(ステマ)。

太字が教養学部、下線が経済学部の表記です。

<3S>

IQSS

 

 

 

IQSS/日本政治外交史

比較政治2

発展途上国

イギリス政治ののゼミ

 

政治学

 

政治学

 

 

 

 

 

日本政治外交史

 

 

 

 

国際政治

分析手法

フランス語初級

ヨーロッパ

政治史演習

 

 

<3A>

 

 

比較政治1

 

 

現代政治理論

 

 

 

 

比較政治1

統計学

政治学演習

比較政治3

アメリカ政治外交史

 

統計学

 

 

アメリカ政治外交史

 

 

フランス語初級

 

 

 

<4S>

 

 

 

 

日本政治

 

西洋法制史

 

 

西洋法制史

 

 

 

 

 

 

日本政治

 

 

現代アメリカの政治

 

国際政治史演習

 

 

 

このセメスターは春休みから始めたリサーチペイパーの執筆やら何やらで死んでいました。履修少なくて悲しいですね。計画的に物事を進めましょう。

<4A>

 

 

 

 

 

 

労働経済

 

 

労働経済

計量経済学

 

 

計量経済学

フランス語購読

 

 

 

比較政治3

 

 

 

 

ヨーロッパ

政治史演習

 

先ほど分けた分野ごとまとめ直します。

<政治史とか地域政治とか>

比較政治系の講義を3年生で(3Aの政治学演習におけるマッケルウェイン先生の比較政治セミナーを加えると)10単位取った上で、アメリカ政治外交史やら、教養学部のゼミを取ったりしました。

細かくいうと

  • 比較政治1:旧ソ連諸国の政治
  • 比較政治2:発展途上国の政治(というより比較政治の理論)
  • 比較政治3:西ヨーロッパの政党政治
  • イギリスのゼミ:成蹊大学の高安先生が地域文化に出講なさっている議院内閣制のゼミ
  • アメリカ政治外交史:そのまま
  • 日本政治:そのまま

他に取るなら,,,
法学部では、特別講義形式で「現代〇〇の政治」が何年かに1回ずつ出されるのでそれを取るのと、(私が取っていないだけで)アジアの政治もしっかりあります。
駒場の地域文化はおもしろ授業を出しているのでUTASを確認することをお勧めします。

<計量>

(基礎統計を自分で勉強し直す)→IQSS+国際政治分析手法→統計学計量経済学
の順番で勉強しました。

法学部には今井耕介先生が(おそらくほぼ善意で)出講なさっているIQSSという授業があります。以下の本を教科書としているのですが、この本自体を1人で完走するのは多分辛いので、とりあえず早い段階(3s)で受講するのをお勧めします。授業受ければついていける難易度なので。

 

 

 

とはいえ、統計の分布やら仮設検定の考え方、そのほか回帰分析の理論などは甘い理解になってしまうので、統計→計量経済の受講は本当に良かったと思っています。経済学部万歳!
そしてなんと統計は経済学部の講義を法学部単位で取れるので、他学部受講扱いになりません、法学部万歳!
以下が使用されている教科書になりまする。

 

 

 

なお、3a→4sのタイミングで、統計検定2級をとりあえず取ったのと、以下の本で補足の勉強をしました。

 

 

より効率的な順番は
政治学と因果推論』を読む→統計受講(2A)→IQSS受講(3S)→『統計的因果推論の理論と実装』を読む→計量経済学(3A)を受講
だと思います。

<数理>

ゲーム理論の授業を経済学部でとりたかったんですけど、3年生では計量系の授業に潰され、4年生ではリサぺの圧力で圧死しました。

なお、まずいと思って入門だけこれで勉強しました。割とわかりやすくておすすめです。

 

<思想史>

法学部で川出先生の授業を6単位3年生で頂戴しました(政治学史+現代政治理論)。

他に取るなら,,,
日本政治思想史、法哲学など他にも色々授業が法学部にはあります。
あと聴講だけして途中で出なくなりましたが教養にも相関の必修か何かとして森先生の講義があります。

<語学>

2Aでドイツ語を学び直し、3~4年でフランス語をやっていますが、全然足りないので精進が必要です。
語学を学びたいのであれば駒場で授業を受けるのが良いです。本当に多種多様な授業揃っていてすごい。今はLe Mondeを読んでいます。楽しい。

自分の履修の反省点

楽しく勉強を続けられましたが以下のような反省点があるので参考にしてください

  • リサーチペイパーは3年後半には書き始めればよかった(4Sが死んだのが心残り)
  • もう少し文学部の授業も受けられれば勉強になったと思われる。
  • 毎セメスター搾りすぎたかもしれない(コマ数増やせばさらに網羅的に勉強できます)
  • 語学の購読の授業をもう少し臆さず取ればよかった

おわりに

毎学期UTASと一日中睨めっこして履修を組んでワイワイ勉強するのは楽しかったのですが、まあなんか荒削りというか改善点もあったので、ぜひ同じようなことしたい人の参考にしていただいてより良い学部ライフを送っていただけると嬉しいです(おしまい)。